CRPG訪問

2013年01月16日 08:06

総長室事業推進経費若手支援という予算を大学から頂戴し「新しい研究シーズの発掘,研究ネットワークの構築」のために出かけるということで,フランス・ナンシーにある Centre de Recherches Pétrographiques et Géochimiques(CRGP; 岩石学・地球化学研究所)を2013年1月7日~11日の期間,訪問してきた.訪れたのは Guy Libourel 博士のラボ.彼は実験岩石学者で初期太陽系に関しても鉱物の凝縮実験で興味深い研究をされている.

Guy とは大学院生の頃からのお知り合いで,以前から共同研究や学生交流などやれるといいねと話していたので,今回の機会を使って,実験室の見学や議論に.見せてもらったお目当ての実験装置は思いの外,コンパクトな構成で,装置の組み立て方など参考になることも多く,こちらの実験にいくつかアイデアも思いついた.また,お互いにアドバイスをしあって,双方の実験にプラスになる議論ができた.ポスドク研究者との議論もできて,将来に向けてのつながりもできたのもよかった.CRPGには窒素・希ガス分析の Bernard Marty 氏や二次イオン質量分析の Marc Chaussidon 氏もいて,彼らとも話ができた.特に Marty さん(日本の地球化学分野にはおなじみの方)は Stardust や GENESIS 試料を分析して成果を出し,今は欧州小惑星サンプルリターン MarcoPolo-R 計画の中心的役割もされている方で,リターンサンプルの分析のあり方などについて意見交換することができた.

CRPG は丘の上にあって,こじんまりとアットホームな雰囲気.そのせいか(?)ランチに皆で行っても,フランス語で会話が盛り上がっていくので,ぽかんと聞いてるだけのこともしばしば.英語なら会話が成立することを知ってるからではあるが,わからない言葉の会話にさらされているのが不思議と心地よかった.英語が今ほどでなかった若い頃,必至で会話を聞き取ろう,理解しようとしていた自分を思い出していたのだ.

一週間お世話になった御礼も兼ねて,最終日に「はやぶさ2」を紹介するセミナーをして帰国.「新しい研究シーズの発掘,研究ネットワークの構築」を充分達成した気分.

帰国後,フランス語勉強熱にかかる.以前から英語以外の言語を勉強したいと思っていたのだ(といっても過去に挑戦したスペイン語,中国語はいずれも挫折・・).さてさて.

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