この分野をめざす方へ

実験室から宇宙や惑星,地球の謎に挑みたいと考えている方へ

実験で扱う化学反応の時空間スケールは原子の大きさや原子の熱振動の時間スケールで,惑星系や地球の時空間スケールとは異なります.しかし,この両者は密接に関係し,宇宙や地球で起こる様々な反応を実験室で理解することで,観測や調査を通して得られる自然の姿の本質をよりよく理解することができます.実験室での時空間スケールと自然の時空間スケールをバランス良く眺められる視点を持つことが,実験を通じて自然を理解するためには重要です.また,このような複眼的視点は,自分の研究を客観的に位置づけ,未解決の問題が何か,自分が取り組むべき課題は何かを見い出すためにも必要です.基礎学力を付け,幅広い知識を持つこと,自分の武器(得意の研究手法)を持つことが複眼的視点を持つためには大切ですが,すべての原動力は好奇心です.

 

学問を志す人の性格条件.知的好奇心が強いこと,
野心的であること,執拗であること,楽観的であること.(藤原正彦)

ふしぎだと思うこと これが科学の芽です
よく観察してたしかめ そして考えること これが科学の茎です
そうして最後になぞがとける これが科学の花です   (朝永振一郎)

There is perhaps no better demonstration of the folly of human conceits than this distant image of our tiny world. To me, it underscores our responsibility to deal more kindly with one another, and to preserve and cherish the pale blue dot, the only home we've ever known. (Carl Sagan)